硬水 便秘が解消しない 場合に考えられる他の要因について考えてみようと思います。便秘というのは、本当に解消することが容易でなく困難な場合があり、なかなか原因究明に至らないことがあります。せっかく硬水が便秘解消に効果的だと知り、美味しくはない硬水を飲んでもなかなか便秘が解消しない場合の原因を考えてみたいと思います。
硬水 便秘が解消しない
硬水を飲んでも便秘が改善しない場合、その原因はマグネシウムの不足だけではなく、他の要因が関係している可能性があります。場合によっては、硬水が体質に合わず、逆にお腹の調子を乱していることも考えられます。
便秘は一つの原因で起こるものではなく、さまざまな要素が絡み合っているため、次のようなポイントをあらためて見直し、総合的に対策を行うことが大切です。
1. 水分摂取量そのものの不足
硬水の種類にかかわらず、単純に1日の総水分摂取量が不足していると、便は硬くなり、排便が困難になります。マグネシウムは便を柔らかくする働きがありますが、そのための「元」となる水分が足りなければ効果は限定的です。
- 対策: 1日に1.5〜2リットルの水分(水、お茶など)をこまめに摂ることを意識しましょう。特に起床時の一杯は、腸の働きを促す良い習慣です。
2. 食物繊維の不足
便のかさ(量)が少ないと、腸が刺激されにくく、ぜん動運動が十分に起こりません。硬水が便を柔らかくしても、そもそも便の量が少なければ、スムーズな排便にはつながりにくいです。
- 対策: 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく摂取しましょう。
- 水溶性: 海藻類、果物(りんご、バナナ、キウイ)、こんにゃく、イモ類、大麦、もち麦など。便を柔らかくし、排便をスムーズにします。
- 不溶性: 穀類(玄米)、豆類、きのこ類、根菜類、葉物野菜など。便のかさを増やし、腸を刺激します。
3. 運動不足・腹筋の衰え
適度な運動は、腸のぜん動運動を促し、便を排出する力を助けます。特に腹筋が衰えていると、便を押し出す力が弱くなり、便秘の原因になります。
- 対策: ウォーキング、ジョギング、ヨガなどの全身運動や、腹筋を鍛える軽い体操を日常に取り入れましょう。ストレッチやマッサージも効果的です。
4. 腸内環境の乱れ
腸内の善玉菌が少ない、あるいは悪玉菌が優勢な状態だと、便の生成や排出がスムーズにいかないことがあります。
- 対策: ヨーグルト、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品や、オリゴ糖(バナナ、玉ねぎ、はちみつなど)を積極的に摂り、腸内環境を整えましょう。
5. ストレス・自律神経の乱れ
ストレスや不規則な生活は、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを乱し、腸の動きに悪影響を与えます。リラックスしている時に働く副交感神経が優位でないと、腸のぜん動運動は鈍くなりがちです。
- 対策: 十分な睡眠、リラックスできる時間(入浴、趣味など)を確保し、ストレスを解消する工夫をしましょう。
6. 排便習慣の乱れ
便意を我慢する、決まった時間にトイレに行かないなどの習慣は、排便リズムを崩し、便秘を慢性化させることがあります。
- 対策: 朝食後など、毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけ、便意を感じたら我慢せずに排便するよう心がけましょう。
7. 食事量そのものの不足・極端なダイエット
食事量が極端に少ないと、便の材料が不足し、便の量が少なくなって便秘につながります。無理なダイエットは便秘の大きな原因となり得ます。
- 対策: 栄養バランスの取れた食事をしっかり摂り、極端な食事制限は避けましょう。
8. 便秘のタイプと硬水の相性
便秘にはいくつかのタイプがあります。
- 弛緩性便秘: 腸の動きが鈍いタイプ。マグネシウムは比較的有効。
- 痙攣性便秘: 腸が過剰に緊張して便がコロコロになるタイプ。マグネシウムが刺激になりすぎると、かえって症状が悪化することもあります。
- 直腸性便秘: 便が直腸に溜まっているのに便意を感じにくいタイプ。硬水だけでは根本的な解決にならないことが多いです。
硬水は、主に「便が硬くて出にくい」というタイプ(弛緩性便秘などによる便の硬化)に効果が期待できますが、腸が過敏なタイプや、便意を感じにくいタイプには、硬水だけでは不十分な場合があります。
9. 別の疾患が原因の便秘
上記のような生活習慣の改善や硬水でも便秘が解消しない場合は、何らかの病気が原因となっている可能性も考えられます。例えば、大腸がん、過敏性腸症候群、甲状腺機能低下症、糖尿病、あるいは薬剤の副作用などが便秘を引き起こすこともあります。
- 対策: 長期間便秘が続く場合や、腹痛、血便、体重減少などの気になる症状がある場合は、自己判断せずに必ず医療機関(消化器内科など)を受診しましょう。
硬水はあくまで日常的な水分補給とミネラル補給の一環であり、便秘の根本的な治療薬ではありません。上記の要因を総合的に見直し、それでも改善が見られない場合は、迷わず専門医に相談することが最も重要です。