腸内フローラが元気の素、善玉菌がカギ

腸内フローラが元気の素、善玉菌がカギ です。大切なパートナーとうまくつき合っていくには、まずは相手のことをよく知らなくてはなりません。

ここでは、腸内細菌がどこに棲んでどんな仕事をしているのか、その素顔を紹介していくことにしましょう。

腸内フローラ

腸内フローラ

わたしたちのおなかのなかには、5 万種類以上、1000 兆個以上の腸内細菌が棲息しています。数年前までは培養できる菌で約 100 種類、100兆個といわれていたのですが、遺伝子のメタゲノム解析が進んでこれまで培養できなかった菌の存在もつかめるようになった結果 500 倍以上の種類 10 倍以上の数の腸内細菌が棲んでいることがわかったのです。

たぶん 1000 兆個といわれてもピンと来ないかもしれませんが、人間の体は約 60 兆個の相場で成り立っているのです。1000 兆個は 60 兆個の約 16 倍。体を構成する全細胞の 16 倍もの菌が腸内に集中している様子を想像してみてください。いかにものすごい数であるかがわかるのではないでしょうか。

これら 1000 兆個以上のパートナーたちが棲んでいるのは、小腸の下部から大腸全般にかけてです。多種多様な菌がびっしりとひしめき合いながら織りなしている様子は、まさに広大なお花畑( フローラ) のようであり、「腸内フローラ」と呼ばれています。

この腸内フローラは、腸内細菌たちが住み込みで働いている工場のような存在といえるでしょう。わたしたちのパートナーは、お花畑に住んで、その畑の工場で仕事をしているわけです。そう考えると、なんだかファンシーな感じですね。

では、このお花畑で腸内細菌はどんな仕事をしているのか。主な仕事内容を挙げてみましょう。

  • 食べ物の消化・吸収と排泄物の形成
  • 免疫機能の維持
  • 有害物質の排除
  • 各種ビタミンの合成( ビタミンB 群、ビタミンC、ビタミンK など)
  • ホルモンの合成
  • 幸せ物質( セロトニン、ドーパミン) の前駆体の合成
  • 腸の嬬動運動の促進

ここで重要なポイントとして知っておいていただきたいのは、腸内フローラの工場において腸内細菌たちの行っている仕事の調子の善しあしが、わたしたちの心身の調子の善しあしに直結してくるという点です。

たとえば、腸内細菌の調子が悪く、ろくに仕事をしていないような状態が続くと、がん、アレルギー、糖尿病、感染症などの病気にかかりやすくなります。

また、太ったりシワができたりして、見た目の老化が進みやすくなります。さらに、不調は精神面にも影響し、幸せやよろこびを感じにくくなり、うつ病や認知症などにかかりやすくなることもわかっています。

難治のうつやアルツハイマーなども腸を元気にすることで治るケースがたくさんある

逆に、腸内細菌の調子がよく、先に挙げた仕事が日々きっちりとこなされていれば、さまざまな病気にかかりにくくなり、美容面でも好調をキープでき、精神的にも明るくすこやかな日々を送れるようになっていくのです。

要するに、腸内フローラは「健康をつくっている工場」のようなもの。病気になるかならないかも、キレイでいられるかどうかも、幸せな気持ちでいられるかどうかも、腸内フローラ工場において腸内細菌という作業員たちがどれだけ調子よく仕事をするかで違ってくるわけです。

みなさん、腸内一面に広がる「お花畑の工場」で 1000 兆の腸内細菌作業員たちが毎日せっせと働いている様子をイメージしてみてください。腸内細菌は種類やグループごとに棲み分けられていて、仕事の役割分担がだいたい決められているようです。

ある者は食べ物を分解し、ある者はうんちを固め、ある者はホルモンを合成し、ある者はセロトニンのもとをつくるといったように、工場内のいろいろなセクションで作業が行われている。

1000兆の作業員ひとりひとりが自分の役割を果たし、腸内フローラという工場を動かしているのです。そして、わたしたちの心と体の健康は、彼らが工場においてどれだけ気持ちよく仕事をできるか、彼らが工場の生産性をどれだけ上げられるかにかかっているわけです。

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腸内細菌はお腹の中につねに 1 〜 2 kg も住んでいて、毎日増殖

腸内細菌はお腹の中につねに 1 〜 2 kg も住んでいて、毎日増殖 しています。腸内フローラの最新研究でわかってきた事実は、従来の人間観をくつがえしてしまうような、本質的で革命的な話です。

一時すごく話題になって、すぐに亡心れ去られてしまうような中身の薄い健康情報ではないのです。

このことについて「大げさだ」なんて思ったあなたに、ぜひ本当のことをお伝えしたいと多くの専門科が感じていることでしょう。このテーマを追いかけてわかった最先端の情報をしっかりお届けしたい。そう思っています。

昨今、巷でかなり話題となっている「腸内フローラ」ですが、じつは毎日のように、身近に感じられる場所があります。それは「トイレ」です。水分を除いた「うんち」の 3 分の l は、腸内細菌でできています(ちなみに残りの 3 分の 2 は、食べかすと、腸の壁がはがれ落ちたもの)。

腸内細菌はお腹の中につねに 1 〜 2 kg も住んでいて、毎日増殖しています。そして、増えた分はうんちとして出ていきます。つまり、うんちは腸内フローラの一部なのです。取材の過程でさまざまな研究所に行きましたが、高名な科学者たちが必死に調べている対象がぅんちというのは、ちょっと面白い光景でした。

腸内フローラのパワーを探っていく本書の道程は、「うんちのパワーを知る旅」とも言えるのかもしれません。

現代人の解毒力は不安がいっぱい

腸内細菌のおかげで生かされている

腸内細菌のおかげで生かされている というのはどういうことでしょうか?少し、無理をすると便秘をしたり、面倒な人と仕事を共にすると、下痢をしたり いろいろとあると思いますが、じつは腸内細菌はみなさんのおなかのなかに棲んでいるパートナーです。パートナーというと ??? となる人も多いかもしれませんが。

腸は大事なパートナー

腸は大事なパートナー

でも、このパートナーは、みなさんの生命活動を維持するために日々身を粉にして働いてくれているのです。腸に入ってくる食べ物を分解・吸収して、不要物を排泄しているのはもちろん、侵入してくる病原菌を追い出したり、ビタミンやホルモンを合成したり、セロトニンやドーパミンなどの幸せ物質のもとをつくったり… 。

がんやアレルギー、感染症などから身を守ることができているのも、うつ病などの心の病気にならずに済んでいるのも、じつは腸内細菌の働きによる部分が大きいのです。とにかく、わたしたちが一生を無事に健康に生きていくために必要なことの多くが腸内細菌の日々の働きによって生み出されているといっていいでしょう。

では、いったいどうして腸内細菌はそんなにがんばって働いてくれるのでしょうか。それは、そうしないと自分たちも生きていけないからです。腸内細菌にとって、人間の腸のなかは「安住の地」 です。母体が健康でいれば、日々定期的に食べ物というエサが入ってくるわけで、彼らにとってこれはど都合のいいすみかはありません。

しかし、母体が弱ったり病気になったりすると、ろくに食べ物が入ってこなくなってしまう可能性が高くなり、さらに、もし母体が死んでしまえば、自分たちも死滅してしまうことになります。だから、腸内細菌には、母体を弱らせたり死なせたりしてしまわないように、人間の健康を維持するいろいろな機能が組み込まれているのです。

そして、腸内細菌はそれらの機能をフル活用して働きながら、わたしたちが生まれてからいまに至るまで、ずっと体を守ってきてくれているわけですね。まあ、腸内細菌たちからすれば、「おれたちや、すみかを失わないように毎日せっせと働いて、おまえの体の健康を守ってやっているんだから、おまえもちゃんと食べていつまでもおれたちにエサを供給し続けろよ」というところが本音なのかもしれません。

要するに、わたしたち人間と腸内細菌の間では、持ちつ持たれつの相互扶助関係が成り立っているのです。

彼ら腸内細菌の助けがなくては、わたしたちは生きていけません。そもそも、人間が脳を発達させて今日の繁栄を築くことができたのは、腸内細菌をたくさん取り入れたおかげだという説もあります。

人間のおなかのなかに棲息する腸内細菌数は、他の動物と比べて突出して多いことが知られています。ところが、腸の長さは他の動物に比べてかなり短い。すなわち、たくさんの数の腸内細菌に棲んでもらって、手間のかかる腸内作業を効率よく進められるようになったために腸を短くできたのです。

さらに、腸を短くしたせいで腸にかかっていた分のエネルギーを脳に回せるようになり、脳を大きくすることができた。そして、人間は脳を発達させて知恵を持ち、手を使って道具を編み出し、食糧を安定的に得られるシステムを築いて個体数を増やし、文明を築くことができたというわけですね。

ですから、人間が人間たりえたのも、人間が繁栄することができたのも、元をたどれば腸内細菌のおかげのようなもの。

本来、わたしたちは、腸内細菌に体内に棲んでもらっていることに対して多大な感謝を捧げるべきなのでしょう。わたしたち人間は、腸内細菌のおかげで生きている。いや、腸内細菌のおかげで「生かされている」といったはうがいいのかもしれません。

腸内細菌とわたしたちは、生きるも死ぬも一緒。一生涯、人生を共に生きていく運命共同体です。この運命を共にするパートナーは、とても大きなカを秘めています。病気になるかならないか、健康を維持できるかできないかは、このパートナーをいかに待遇するかで大きく変わってくることでしょう。

それだけではありません。太り具合も、老化の進み具合も、何歳まで生きられるかも、このパートナーをどう待遇するかで大きく変わってくることでしょう。つまり、みなさんがこれから先、自分の人生をどれだけ輝かせられるかのカギを腸内細菌というパートナーが握っているのです。だったらみなさん、このパートナーと手を組んで、とことん仲よくしていったはうがいいと思いませんか?

できる限りのおもてなしをして、パートナーの持つカを存分に発揮してもらったほうがいいと思いませんか?もし私の提案に異存がなければ、まずは〝自分のおなかのなかに、自分にとってかけがえのないパートナーが棲んでいるんだ″ としっかり意識してみてください。そして、「いままで働いてくれてありがとう。これからもよろしく」とお願いしたほうがいいかもしれませんね。

腸内細菌はお腹の中につねに1 〜2 キログラムも住んでいて、毎日増殖