腸ストレスを取り去る運動 ウォーキング

体を温めて、腸を動かす最適な運動は、有酸素運動である「ウォーキング」です。歩くことで腸は動きだすからです。ウォーキングのポイントは、
歩幅をやや広くして、腕を大きく振り、少し呼吸が速くなる程度の速度で30分ほど歩くことです。これなら有酸素運動にもなりますし、運動による刺激で新陳代謝も活発になり、腸もよくはたらくようになるでしう。

加齢や運動不足など、排便に必要な腹筋や背筋などの筋力の衰えも便秘の大きな要因です。ウォーキングは、これらの筋力の維持や増強にも非常に有効です。腹筋や背筋だけでなく、下半身の筋力の衰えも、腸の冷えや血行不良につながってきます。

下半身には、全身の筋肉の70%以上が集中しています。下半身の筋肉を鍛えることで、代謝が高まり、血液循環もよくなることで、冷えと血行不良を改善することができます。

その意味でも、ウォーキングは最適です。なぜランニングではなく、ウォーキングなのでしょうか。それは、あまりに過度なトレーニングはかえつて筋肉に疲労がたまり、体に負担がかかって逆効果になってしまうからです。

しかも、疲労がたまったまま運動をしてしまうと正しい姿勢が保てず、腰や膝などを痛めやすくなつてしまいます。ウォーキングをすれば、すぐに体がポカポカと温まってくるのを実感できるはずです。地面を蹴って前に進むことで、「第2の心臓」といわれる、ふくらはぎの筋肉の力で血液を全身に力強く送り返してくれます。

下半身にとどまっていた血液も脚の筋肉が伸縮することで、どんどん心臓に戻り始めます。それによって、腸の改善だけでなく、血液循環の不良から起こる肩こりや手足のしびれなどの解消も期待できます。

腸のためには寝覚めの習慣がとても大切

朝起きたら喉がからからに渇いていたことがある人は多いはずです。就寝中に、コップ1杯程度(約200~300ml )の汗をかいています。
そのため、喉が渇いているだけでなく、体内の水分量そのものも減ってしまっています。このとき体はいわばひからびた状態にあります。

そうすると、血液中の水分も減っているので、粘り気を増し、ドロドロになつてきます。このドロドロが、血栓を作り、動脈硬化の原因となってしまいます。

ドロドロだけでない!ベタベタ、ギュウギュウ、ギトギト、スカスカ血液はリスクが高い

この動脈硬化が原因で起こる脳卒中や心筋梗塞などの病気が、起きてから数時間以内に発生する確率が高いのはそのためです。

寝覚めのコップ1杯の水は、血液の流れをスムーズにするためにも重要なのです。もちろん、この1杯の水は腸のはたらきを活性化するためにも欠かせません。
空っぽの状態の胃に水が入ると、それが刺激となって大腸にぜん動運動をするように信号が送られます。つまり、便意を催しやすくなるわけです。
さらに体内の水分バランスを調節するため、腸内の老廃物にも適量の水分が行きわたりよりスムーズなお通じにつながるのです。また、尿や汗の量が増えるので、全身の解毒を促進する効果も期待できます。

こうしたはたらきをより効果的に促進するためには、1日にトータルで1.5~2リットルの水分を摂るようにしてください。やや多いと感じるかもしれません。しかし、これが腸のためには必要な量なのです。
水として毎日1.5リットル以上を飲む必要はありません。

私たちは、ふだんの食事からも水分を補給していますので、たとえばスープなどで水分を多めに摂取した場合などは、飲む水の量を調節してもよいでしょう。

飲み方は腸の負担にならないように、少しずつ味わうようにゆっくりと飲むこと。より体に浸透しやすくなります。また、急に冷たい水を飲まないことです。水分補給は朝だけでなく、日中気がついたときに飲んでもいいですし、

とくに就寝前の適度な水分補給も大切です。できれば水はミネラルウォーター、それもマグネシウムやカリウムを多く含むナチュラルミネラルウオーターがよいでしょう。

便秘解消に効果的な水(一覧)はこちら。

デスクワークの人は必見、腸のためにストレスがかからない姿勢を意識する

オフィスでのデスクワークでは、パソコン画面を注視するあまり、ついつい前屈みになっていたり、無意識のうちに足を組んでしまっている人もいるでしょう。集中していると、次第にディスプレーに顔が近づいてしまう人もいます。

また、自宅でも片手で頭を固定しながら横になつてテレビを見たりしているのではないでしょうか。こうした悪い姿勢が体のクセになって血行不良の原因になってしまうこともあるので注意が必要です。

血行不良は体にさまざまな悪影響を及ぼします。とくに問題なのが猫背。猫背になると体が前屈みになります。そうするとお腹が圧迫されますから、腸などに負担がかかり、機能が鈍ってしまいます。

姿勢の悪さというのは、なかなか気がつきにくいものです。自分は姿勢がいいほうだと思っていても、加齢や体調不良により、お腹をかばうようにして、だんだんと背中が曲がってきているかもしれません。

悪い姿勢によってお腹を圧迫すると、腸だけでなく、胃の負担にもなりますから、食欲不振や胸やけ、さらには便秘にもつながりかねません。

悪い姿勢だけでなく、オフィスワークなど長い時間座りつばなしなど、あまり体を動かさない場合も同様に、腸のはたらきを鈍らせてしまいます。そこで気をつけたいのが、ふだんの姿勢です。正しい姿勢には5 つのポイントがあるといわれています。立ったときに、自分の姿勢がくるぶし、膝の中央、骨盤の出っ張り、肩の出っ張り、耳の中央の5つのポイントが一直線に並んでいるかどうかを確認しましょう。

真っすぐに並んでいない場合は姿勢が悪いということです。その対処法は、デスクワークをしているときなら、椅子に深く腰をかけ、背もたれにきちんと背中をつけることです。

パソコンのモニターは見上げるのではなく、やや見下ろすような姿勢をとりましょう。当然、足を組むのもNGです。そうしたうえで、前のめりにならないよう、頭の頂点を真上から何かに引っ張られているイメージをしてみてください。歩いているときも同様に、ピンと背筋を伸ばすようにしてみましょう。姿勢を正すだけでも、腸の調子改善されていきます。