腸は体全体の健康を左右する大切な器官です。腸の調子が悪くなればさまざまな病気にかかってしまいます。腸は口から入った食べ物を、消化→吸収→排泄する唯一の器官であるばかりか、体内のリンパ球の約6割が集中しているうえ、「第2の脳」ともいわれ、脳に次いで神経細胞が集中する器官でもあるからです。
生命活動を支える栄養素を吸収し、独自の神経ネットワークによって全身にさまざまな情報を伝達する重要な役割を担っているわけです。そんな重要な器官である腸が、過度のストレスにさらされ、腸の基本的な運動が低下してしまい、本来の機能を果たせなくなっています。この状態を「停滞腸」と呼んでいます。
停滞腸であるかどうかは、内視鏡で見れば一目瞭然です。本来、健康な腸は美しいピンク色をして弾力がありますが、停滞腸は色がくすみ、形は張りが失われたかのようにダラツとして見えます。
さらに黒いシミ(大腸メラノーシス)のようなものができていることも少なくありません。では、どうすれば、見た目にも美しい健康な腸を取り戻すことができるのでしょうか。
その近道は、やはり食生活の改善にあります。とくに偏った食生活と、脂肪過多の食事(動物性脂肪)を改めることが重要なのは言うまでもありませんn。
また、食事の内容ばかりではなく、朝食を食べないといった食習慣、あるいは睡眠時間の減少や慢性的な運動不足、住環境や労働環境の悪化などによる精神的ストレスの増大など、その他さまざまな環境の変化も見逃せません。
なぜなら、これらはすべて腸の「ストレス」の原因になってしまからです。
日本人の腸を悪化させている「腸ストレス」にはどんなものがあるのか、そして、その腸ストレスを取り除き、健康な腸を取り戻すためにはどうすればいいかについてです。