腸の健康のためには、シャワーですまさずに入浴は湯船にしっかりつかることが大事です。その際におすすめなのが半身浴。半身浴は、体が温まるだけでなく、心身のストレスを取り除き、腸への血流もよくなりますし、免疫力を高めることもできる入浴法です。
とくに寒い冬には、熱いお湯に肩までつかって温まりたいという人が多いでしょうし、夏の暑い季節には湯船につからずシャワーだけですませてしまいたい人も少なくないはずです。しかし、これでは入浴による効果が期待できません。便秘やお腹の張りは、副交感神経がうまくはたらかずに交感神経が優位になつているときに起こるため、血流をよくして自律神経のバランスを整えることは、腸を温めて、動かには大変有効なのです。
入浴のポイントは、ぬるま湯に、じっくりと、半身浴で温まること。ここでいうぬるま湯とは、副交感神経のほどよい刺激となる、体温より2~4度高めの38~41度くらいのお湯のことです。
熱いお湯が好みの人もいるかもしれませんが、熱いとすぐにのぼせてしまい、かえって体の芯まで温まることができません。そのうえ、体温との差が大きいため、交感神経が刺激され血圧や心拍数が急激に上がりかねないので注意が必要です。
ぬるま湯につかる時間は、20~30分ほど。汗が出るまでじっくりと湯船につかるのが理想です。寒い冬などは、ときどき湯船に深くつかったり、浴用タオルをかけて冷やさないようにするといいでしょう。
なぜ半身浴がいいのかというと、心肺機能に負担がかからないためです。半身浴をすると水圧が足の静脈をポンプのように押して血液を心臓に戻してくれますが、
全身浴の場合は水圧で皮膚や内臓、筋肉の血液がいっせいに心臓に戻るので、心臓が拡大して肺の容量が減り、心肺機能に負担をかけることになつてしまいます。入浴などによって急激に体が温められると、血液が皮膚に集まるために胃のはたらきが悪くなり、消化不良を起こすこともあります。とくに42度以上の熱い湯では胃液の分泌が減るので、入浴は食後1時間以上たってからが理想です。