少し前だったら子供に向けて「お腹を冷やすな」とよく注意さましたがが、最近はそういったことを言う大人もずいぶん減りました。
近頃では1年を通して、足やお腹を露出しつつ、コートだけは着ているというような薄着の若い女性も目立ちます。26 歳のBさんの例です。
Bさんは、長年、慢性的な便秘に悩んでおり、とくに冬場にその症状が強く表れていました。実は、こうした症状の原因の約ほとんどは「冷え」なのです。
便秘は冷えが原因というサイトを見ると、さまざまな冷えによる腸へ悪影響が紹介されています。
体が冷えることで腸のはたらきが停滞し、便秘を招きやすくなってしまうのです。Bさんも以前から冷えの自覚症状を持っていました。
彼女は、冬場でも、湯船にじっくりとつからずに入浴をシャワーのみですませていたり、寒いからと外出を控え、ほとんど運動をしないなど、薄着以外にも冷えを招きやすい習慣が見つかりました。
こうした日常の生活習慣が積み重なり「腸の低体温ストレス」を増大させていたのです。さらに最近では夏の暑さがいつまでも続く分、秋が短くなって一気に冬の気温になる、という季節変化パターン化しています。
この温度の急激な低下や落差も、低体温ストレスを招く原因と考えられます。Bさんが特別ではなく最近の女性の典型的パターンです。
「腸の低体温ストレス」は、腸の不調ばかりではなく、抵抗力も弱まりますので、冬場には風邪を引きやすいなど、さまざまな病気を招きやすくなっています。まさに「冷えは万病のもと」なのです。
体温調整が乱れる日常の生活習慣
ここ最近、低体温症という言葉を耳にする機会が増えてきました。それだけ現代人の体は「低体温ストレス」にさらされやすくなつているといえるのかもしれません。
人の体温は37度に神が定めた によれば頑張って働いて、ストレスに耐えて、体はもう悲鳴を上げています。その悲鳴が「低体温」です。人間の体温は、本来、37度が自然なのです。
37度あったら風邪気味?かと思ってしまいます。でも本来は37度が正常ということなのでやっぱり低体温であることに間違いあいりません。
そもそも「冷え」とは何でしょうか。この概念は東洋医学的なもので、西洋医学には存在しません。西洋医学的に「冷え」は循環不全、つまり血行の不足、または代謝の低下によって起こる熟再生不足と捉えられます。
わかりやすくいえば「血行不良」です。この血行不良によって、栄養素は全身に回りにくくなり、細胞のはたらきが低下してしまいます。
その結果、熱産生率も下がり、さらなる体温の低下を招く、という悪循環を引き起こしてしまうのです。ただ、「冷え」は体の防御反応のひとつでもありますので、冷えを感じることは体が正常にはたらいていることの証です。
健康な人の場合、体が冷えたとしても衣類を着たり、体を動かしたりすることで温まり、それによって血行がよくなれば冷えも改善されます。
これは寒さによって収縮していた血管を拡藤させたり、暑くなれば汗をかいて体温を下げようとする体温調節機能によるものです。
この体温調節機能は自律神経によってコントロールされています。ところがBさんのように慢性的に冷えにさらされていると、自律神経のはたらきが乱れるようになり、体温調節機能が正常に機能しなくなってしまうのです。
この慢性的な冷え症は、停滞腸の原因にもなります。20~40代の女性の多くは便秘に悩んでおり、同時に「冷え」を訴える人が非常に多いです。
「夏のエアコンが苦手で膝かけが手放せない」「冬の寒い時期には、靴下をはかないと眠れない」など、とくに冷えの症状が悪化したときに、便秘もひどくなる傾向が見られます。
それは慢性的な冷えによって、自律神経が正常にはたらかなくなったために、交感神経が刺激され、腸のはたらきが停滞してしまうからです。
また、動物実験では、腸への血流量が減少すると腸管の運動が鈍くなることがわかっています。つまり、交感神経が優位な状態が続いて血管が収縮すれば、血行が悪くなり、腸に行く血流量も減少します。
その結果、腸管運動が低下すると考えられるのです。そもそも、女性はなぜ冷えやすく、停滞陽や便秘になりやすいのでしょうか。
その原因として一般的には次のようなことが挙げられます。
- 女性は男性に比べて筋肉の量が少ないうえ、運動不足などによって、基礎代謝量が少なく、消費するエネルギーの量そのものが少ない。
- とくに最近の若い女性の場合、背が高く手足も長いので、体の表面積が大きくなってしまっている。
- 住宅でいえば断熱材の役割を果たすべき皮下脂肪が少なく、放熱量が多い。
などです。こうした条件から浮かび上がってくるのは、身長が高くてやせている、ファッションモデルのような女性です。最近の若い女性が理想とする体型そのものです。
それらのほかにも、とくに冬場は体が冷えてしまうからと水分摂取を控えてしまったり、寒いからと外出を控えて運動量が減少してしまうなどの要因が、腸のさらなる悪化を招いていると考えられます。
さらに、女性の場合はホルモンの影響で、月経前の黄体ホルモンが分泌されている時期(黄体期)は、とくに手足の末梢が冷えやすくなっています。
また、この黄体期には、腸管の動きが鈍くなりやすく、停滞腸や便秘になりがちです。中年以降の女性に多く認められる冷えの場合は、更年期によるホルモンバランスの乱れに加えて、加齢による基礎代謝の低下が原因であると考えられるのです。男性の場合も冷えとは無関係ではありません。とくに中年以降になれば、運動不足など影響で、筋肉量が低下して冷えを招きやすくなります。また、過度なストレスやビールなどの冷たい飲み物の大量摂取も、その引き金になってしまいます。