腸の病気は年々若年化していることや腸ストレスが増大していることだけを見ても、日本人の腸が大きく変化しているのは間違いありませんし、さらにいえば、そのことが腸だけでなく、日本人の健康に大きな影響を及ぼしているのではないかと考えられるのです。
なぜなら、腸は私たちの健康をつかさどる「中心的な器官」だからです。小腸と大腸からなる腸の役割で、すぐに思いつくのが「消化・吸収」ではないでしょうか。
胃でその一部が消化された食べ物は、まずは小腸でさらに消化・吸収され、大腸は主にその老廃物を排泄する役目を担っています。
しかし腸の重要な役割は、それだけではありません。「腸は人体最大の免疫器官」といわれるように、腸には私たちの健康にとって大変重要な「免疫機能」があるのです。
体内に侵入してきた細菌やウイルス、あるいは日々発生するがん細胞などを攻撃し、病気を防いでくれるリンパ球の約6割が、実は小腸に存在しているのです。
腸内環境の悪化が、私たちの健康をつかさどる免疫機能に悪影響を及ぼすということです。このように、腸は私たちの健康にとって大変重要な器官です。だからこそ、ほかの臓器や器官以上に、「腸」の健康を守るための対策を講じる必要があるのです。
なかでも最も重要だと考えるのは「食べ物」です。
日本人の腸内環境の悪化は、食生活の悪化によるものが大きいと考えられるからです。昨今の健康ブームによって、体によいとされる食べ物、悪いとされる食べ物に関する情報が乱れ飛んでいます。それらのなかには、必ずしも健康によい影響を与えるとは限らない情報も多く見られます。
流行りの健康食を摂りすぎたために、かえって腸の状態を悪くしてしまった方が非常に増えています。ここではまず、本当に体によいと思われている健康食情報の「腸にとっての真実″」を紹介したいと思います。