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流行の少食、断食などが及ぼす悪影響

断食で野菜ジュースで食事がわり

断食で野菜ジュースで食事がわり


健康を気づかう男性にもまた、熱心にダイエットに取り組む人が急増しています。
その一方、はじめは勢いよくダイエットを始めても途中で挫折してしまう人が後を絶たないのもダイエットの宿命といえるかもしれません。

それはその人の意志だけでなく、方法そのものに問題があるケースも少なくないのも原因です。たとえば、最近では、朝食を抜くなど、食事の回数や食べる量を極端に減らすダイエット法が注目されています。1日2食ダイエットです。

「食べない」というわかりやすさが受けたのかもしれませんが、腸の面から見ると、この方法の問題はまさしくその「食べない」という点にあります。
食べないことで、少ないカロリーでも生命が維持できるよう、私たちの体はエネルギー消費の多い筋肉を減らそうとしてしまいます。
すると、一時的にやせることはあるかもしれませんが、しだいにカロリーを消費しにくい、やせにくい体になってしまうばかりか、体や腸が冷えやすい体質になってしまいます。病気への抵抗力も落ちていきます。体の免疫力そのものが低下してしまうのです。

そして、腸にとって何より問題なのが、便になる内容物そのものが不足してしまい、スムーズな消化・吸収・排泄というサイクルが機能しなくなってしまうことです。適度な食事量と運動によって、腸を「温め」「動かす」こと。これこそが、ダイエットだけでなく、私たちの健康を維持するための基本なのです。

もちろん食べ過ぎも腸には悪影響ですから、これまで食べ過ぎていた人には、一時的には少食、断食などが効果を発揮することもあるかもしれません。しかし、継続していくと腸は調子を悪くしてしまうのです。

日本人の腸はどうなってしまったのだろう

腸の変化

腸の変化


腸の病気は年々若年化していることや腸ストレスが増大していることだけを見ても、日本人の腸が大きく変化しているのは間違いありませんし、さらにいえば、そのことが腸だけでなく、日本人の健康に大きな影響を及ぼしているのではないかと考えられるのです。

なぜなら、腸は私たちの健康をつかさどる「中心的な器官」だからです。小腸と大腸からなる腸の役割で、すぐに思いつくのが「消化・吸収」ではないでしょうか。
胃でその一部が消化された食べ物は、まずは小腸でさらに消化・吸収され、大腸は主にその老廃物を排泄する役目を担っています。
しかし腸の重要な役割は、それだけではありません。「腸は人体最大の免疫器官」といわれるように、腸には私たちの健康にとって大変重要な「免疫機能」があるのです。
体内に侵入してきた細菌やウイルス、あるいは日々発生するがん細胞などを攻撃し、病気を防いでくれるリンパ球の約6割が、実は小腸に存在しているのです。

腸内環境の悪化が、私たちの健康をつかさどる免疫機能に悪影響を及ぼすということです。このように、腸は私たちの健康にとって大変重要な器官です。だからこそ、ほかの臓器や器官以上に、「腸」の健康を守るための対策を講じる必要があるのです。
なかでも最も重要だと考えるのは「食べ物」です。

日本人の腸内環境の悪化は、食生活の悪化によるものが大きいと考えられるからです。昨今の健康ブームによって、体によいとされる食べ物、悪いとされる食べ物に関する情報が乱れ飛んでいます。それらのなかには、必ずしも健康によい影響を与えるとは限らない情報も多く見られます。

流行りの健康食を摂りすぎたために、かえって腸の状態を悪くしてしまった方が非常に増えています。ここではまず、本当に体によいと思われている健康食情報の「腸にとっての真実″」を紹介したいと思います。

腸の病気は年々若年化している

40~50代

40~50代


腸の病気が若年化しているのは、大腸がん患者の増大を見れば誰でもすぐにわかります。大腸がんの雁息率は一般的には、50 代から上昇し始め、高齢になるほど高くなります。

しかし、1970年代には40 代の患者数はごくわずかでしたが、近頃ではそれほど珍しいものではなくなってしまいました。
また、ポリープのなかでも最もがん化しやすいとされる腺腫性のポリープの多くはS状結腸や直腸にできやすく、発症頻度は比較的高いほうで、50~60代では約3割の人に見つかります。

こちらも最近では若い人の発生率が高くなっており、40代でもその確率は以前に比べて高くなっています。ポリープが必ずがんになるというわけではありませんが、そのポリープが便のたまるS状結腸や直腸にできやすいという事実から、医師の多くは便秘と大腸がんには何らかの関連があるのではないかと考えています。

大腸がんの発生部位で最も多いのが直腸がんで約4割です 。それに続くのが、直腸の手前にあるS状結腸で約3割です。直腸は、腸による消化・吸収の最終地点として、食べたものに含まれる添加物などのがん化促進物質が、最も濃縮された状態で下りてくる場所です。

よって、便秘になることで、それらの内容物が直腸に長くとどまってしまうことが、大腸がん発症の要因のひとつになっているのではないかと考えられるのです。
直腸の手前にあるS状結腸でがんが多く見つかるのも、同様の要因によるものだろうと推測されます。以前は少なかった大腸がんの発生数がこれだけ増えたのは、日本人の腸内環境の悪化がからんでいることは間違いないでしょう。

大腸がんは2003年以降、女性のがん死因の第1位を占めています(男性は3位。ちなみに、平成10年の「国民生活基礎調査」では便秘であると回答した人は、人口1000人あたり女性46.7人、男性で18.6人でしたが、平成2年の同調査では女性で50.6人、男性で24.7人と、その数は増加傾向にあることがわかります。

さらに、潰瘍性大腸炎やクローン病といった腸の疾患も増えています。潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症を起こす病気で、びらんや潰瘍などが直腸から連続して結腸まで発生し、症状としては下痢や下血、腹痛、発熱などが見られます。
重症例で10年以上経過すると、大腸がんのリスクが高まってきます。クローン病は、食道から胃、小腸、大腸、肛門までの消化管全体に炎症が多発したり、潰瘍ができたりするのが特徴です。
腹痛、下痢、下血、発熱、体重減少などの自覚症状を伴い、治療がやや困難な病気です。いずれも、1980年代の日本ではほとんど見られない疾患でした。ところが、食生活が欧米化(正しくは、北欧米化) するにつれて、これらの患者数が増加したことは確かです。
現在、クローン病の患者は約2万8000人、潰瘍性大腸炎ではなんと約13万人いると推定されています。
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