最近は、20~0代の女性が多いのですが、ほとんどの人が何度もダイエットを行っています。なかでも「ローカーボダイエット」や「低糖質ダイエット」などと呼ばれるダイエットの経験者が多いことに驚かされます。イメージ的にやせるようなイメージがあるのでしょうか?
たしかに、炭水化物の摂取を制限するだけで、動物性のたんぱく質の肉や魚は食べてもよいので、「食べない」ダイエットに比べればストレスも少ないのかもしれません。いまでもこれらは根強い人気があります。
ただし、常習性便秘症の方が、炭水化物の摂取を控えるダイエットを行うと、食物繊維が不足がちになり、ますます便秘の症状が悪化しかねません。その結果、便秘薬や下剤の服用量が増えてしまい、症状はさらに悪化してしまいます。こうした悪循環に陥ってしまった方々を数多くいます。
低炭水化物ダイエットの危険性はこれだけではりませんこの方法を長期にわたって続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるのです。
ハーバード大学などのグループが英国医学誌に発表した内容は以下の通りです。1991~1992年に、スウェーデンの30歳~49歳の女性4万人以上の食生活を調査し、その後の平均約16年間、心筋梗塞や脳卒中などの発症を追跡調査したものです。
その結果、一般的に炭水化物を制限する食事は、高たんばくになりがちで、この低炭水化物で高たんばくのグループでは、そうでないグループに比べて心筋梗塞や脳卒中などの発症の危険性が最大1.6倍にもなつたことがわかりました。炭水化物、つまり糖質を摂らない食生活は、「食べない」ダイエットと同様に、炭水化物を分解して得られるグルコースという筋肉を動かすために必要な物質を使わなくなる、つまりやせにくい体質に変化する可能性もあります。
健康のためにダイエットにチャレンジする際は、とくに便秘など腸の不調のある方は、安易に新しいダイエット法に飛びつかずに、体に与える影響などをよく理解してから、取り組むのが無難です。